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いつもの小料理屋にいつもの商店街の連中。今夜のサカナは相模湾でとれたばかりのスルメイカ。それぞれ刺身、焼きイカ、煮付けを待っている。テレビのニュースは河野議長が最長在任記録を更新したと伝えている。 「ギネスに申請するのかね」 議長なんか誰でもいいんだろう、とクリーニング屋の社長。 「戦前なら男爵くらいにしてもらえたに違いない」 とタバコ屋の隠居。麻生の恩返しに違いないとつぶやく。 「何だ? 恩返しって」 鉄道員が聞いた。 隠居の説は、かつての派閥オーナーは河野洋平。派閥禅譲の御礼に、解散をずるずる引き延ばして憲政史上最長のタイトルをプレゼントしたんじゃないか、と言うもの。 「お待ちどうさま」 皿を受け取ったのは刺身を注文した鉄道員、ワサビを醤油にときながら 「昔、河野っていう子爵がいた。関係ないのか?」 明治時代の初め、江藤新平に世話になってた元土佐藩士・河野敏鎌。大久保利通に金をつかまされて寝返った挙げ句、江藤を打ち首獄門にした。その後、大久保の引きで大臣を歴任して子爵になった。『金で恩人を売った男』っていう悪評判でちょっと有名なやつだ。 「河野洋平の親爺は河野一郎だ。一郎は神奈川県だ、土佐じゃない」 と隠居。 かつて新自由クラブを旗揚げして転けたらすぐに自民党に復帰した河野洋平。従兄弟(いとこ)の田川誠一は孤軍奮闘しながらも最後まで節を曲げなかった。 「河野洋平なら伯爵(意志薄弱)か男爵(軟弱)。どちらが合うのかね」 隠居の問いかけに、女将は皿洗いが忙しい。 "川筋の男"は義理堅く情に厚いと、一人で勝手に感心する隠居。 「親分への義理で解散しないって」 国民はたまったもんじゃない、そんなことないでしょうと笑ったのは税務署員。 |
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